観光が衰退する日本を救う
最近これを読みました。
デービッド・アトキンソン 新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」
- 作者: デービッドアトキンソン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/05
- メディア: Kindle版
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日本は今後、少子高齢化で、なおかつ人口減少。
国内市場はちいさくなっていきます。
内需が減少するのだから、とうぜん生産も消費も減り、GDPも下がる。
それをくいとめるために、短期移民を受け入れていこうという趣旨の本です。
ここでいう短期移民とは、海外からの旅行者を指します。
日本で移民を受け入れるのは、法律的にも、国民感情的にも難しい。
こえなければならないハードルが多すぎる。
それならば、住むのではなく、短中期的にゲストとしてやってくる外国人を増やして、消費してもらおうということです。
少子高齢化による人口減というのは、すさまじいインパクトで、わたしはかなり危機感をもっています。
いまの社会制度は、まず維持できなくなるでしょう。
年金制度もそうですが、現役世代がリタイアした世代を支えるというのが前提です。
その前提条件はすでに崩れています。
高齢者は増え続け、それを支える現役世代のほうが少なくなっていくんですから。
年金制度については、100年安心とか大ウソ言ってないで根本的に考え直すべきでしょう。
国民皆保険も同様で、高齢者向けの医療制度は考え直すべきです。
いくら増税してもきりがありません。
そういうわけで、わたしは日本の未来についてかなり悲観的です。
政府や議員、官僚、メディアは事実から目を背けている。
あるいは、知っていてあえて真実があかるみにでるのを遅らせているようにしかみえません。
さて、そんな先行きのくらい日本にあって、ひとすじの光明となるのが「観光」です。
そして、中国など新興国においても富裕層は増えました。
彼らは、お金の使いみちを探しています。
投資先も、遊ぶ先も探しているのです。
これから、旅行産業はますます発達していきます。
衰退していく日本ですが、観光資源は豊富。
著者のデービッド・アトキンソン氏は日本経済の分析をやってきたアナリストです。
彼によると、観光立国となるには、4つの条件があります。
- 気候
- 自然
- 文化
- 食事
日本は、これらの条件をすべて満たしています。
それでいて、観光に力をいれてこなかった。
のびしろは大きいとアトキンソン氏は言います。
アトキンソン氏はアナリストですから、データをもとに考察していきます。
それだけに説得力が半端ないです。
観光については、わたしも有力だと思っていて、あれこれとビジネスにできないかと考えていました。
この本を読んで、ぼんやりしてた思考が、はっきりとかたちになってきました。
やっぱり、読書はすばらしいですね。
専門家の研究結果をすこしの時間とお金で読めるんですから。
自己投資として、コスパ高すぎます。
単純に、自分にない視点をもたせてくれるから、読み物としてもおもしろいですし。
今年読んだ本では、落合陽一さんの本もかなりおもしろかったです。
日本への観光客数は順調にふえていますが、ハードもサービスもインフラもまだまだ開拓の余地があります。
国の政策にもよりますが、近いうちに、観光産業が日本の主要な産業になっていくでしょう。
おすすめの一冊です。